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宇宙戦艦ヤマトの二次小説を展開する「三日月小箱」管理人の独り言です
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長女が5歳の時、家族で福井の海に行った。
トイレに行きたいと長女が言うので、私は海水浴客も利用する公衆トイレに連れて行った。
きれいに掃除されてはいたが、古い和式の水洗トイレだったので「大丈夫?」と長女に聞く。
「うん。大丈夫」
「じゃあ、お母さんはドアの前にいるからね。鍵はかけないでね」
長女はうなずいてトイレに入り、やがて水を流す音がした。

なのに、出てくる気配がない。
トイレの中はしーんと静まりかえっている。
「どうしたの? 開けていい?」
ノックすると長女が「そっと開けてね」と返事をした。

ドアを開けてみると、便器の脇、トイレの床に肘を付けて長女は四つんばいになっていた。
「何してるの!?」
ひぃぃぃっ! と内心叫びながら長女を起こそうとしたが、長女は私を見向きもしない。

「おかあさん、ほらね」
長女の白くて小さい手で囲われた中には、白いイモムシが1匹動いていた。
「おかあさん、あのね、この子、足が6本あるから昆虫の幼虫なんだよ。
でもね、知っているチョウチョの幼虫とは違うの。
尻尾の形も変わっているし、動きもピンピンしていて面白いでしょう?
この子、どんなチョウチョになるのかなぁ。
こんなに白い幼虫だから、きっと綺麗なチョウチョになるよね。
ね、おかあさん、連れて帰って飼ってもいいでしょう?
何を食べるのかなぁ。トイレの周りに生えている草に、お友だちの幼虫もいるのかなぁ」

目をキラキラさせて立ち上がり、愛おしそうに幼虫を抱っこする長女。

娘よ。それは、それは絶対に持って帰れません。
言葉を失ってどうしたものかと思案していた私の後ろから夫が覗き込んだ。
「ダメだよ。それはうちでは飼えないんだ」と夫。
「どうして? 餌が難しいから?」
「それはイエバエというハエになるんだよ。幼虫はウジといって、ウ○チを食べるんだ」

さすがに長女もびっくりしたようにウジを見ていた。
ハエは好きな虫とはいえないし、ウ○チが餌となると飼えない事情は理解したようで、長女はトイレに戻しに行った。

そのあと、海水浴客用シャワーを使って、長女の腕も膝も、もちろん手も徹底的に洗って帰った。
長女は車の中で何度も「あんな可愛い幼虫が、本当にハエになるのかなぁ」と呟いていた。
綺麗な乳白色のウジだったけど、ウジはやっぱりハエになると思うよ。


というのがハエにまつわる強烈な記憶だ。

灰谷健次郎作『兎の眼』読了。
ハエを愛する少年が出てくる。
うちの長女とは仲良しになれたかもしれない、と思いながら読んだ。

その長女はもう22歳。
この夏は北海道での無農薬耕法実習と信州での林業実習を予定している。
「害虫学」の授業が楽しくて仕方ないらしい。
長女はあの頃のまま育ったのだなぁと、感慨深い。

テーマ : 最近読んだ本 - ジャンル : 本・雑誌

 

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コメント

コメント欄だけど、だけど・・・

ノーコメントです!!(爆)

大人の聞き手としては苦笑する以外ないですが、いや微笑ましい。
チーズやフルーツを使って、清潔かつ衛生的に羽化させることも可能ではあるそうです。もし当時そうしていたら・・・・。

私が紗月さんだったら、飛びずさっていたと思います。
知らないから、触ることが出来たのでしょうねぇ。
あ~、驚いた(笑)

すごい

子どもって純粋で本当に素敵ですね。
紗月さんも旦那さまも冷静にきちんと接していて勉強になります。
私はきっとそんなに冷静に対応できない気がします。きゃーっと言ってすかさず子どもをその場から連れ出しそう。でも、それじゃダメなんですよねえ。今は毛虫を怖がる娘だけど(私が怖がるからじゃないかと義母に言われて反省…)、そのうち興味を持つんでしょうねえ。ううう。
頑張って動じないように慣れなきゃなあ…。

『兎の眼』、児童文学だそうですが、大人が読んでも色々考えさせられるお話だった記憶があります。

ハエ、我が家ではコバエがちょろちょろと。風呂場の排水溝が??
夏の実習が楽しみですね!

子供の好奇心て純粋ですよね。
小学生の頃、実験でショウジョウバエを集めましたが、母親に物凄く嫌がられました(苦笑)
私は楽しかったのですけど…(微苦笑)

紗月さまとご主人の冷静な対応はさすがです。きちんと話して、子供に理解させる。
興味を持っている分野だからこそ、きちんと話してあげないといけないのでしょうね。

ノーコメント?(笑)

網代屋ウメさま
> ノーコメントです!!(爆)

ふっふっふ。
子育ては思いも寄らない事態が普通に起こるんですよ(爆)。

飼育

ギイチローさま
> チーズやフルーツを使って、清潔かつ衛生的に羽化させることも可能ではあるそうです。

当時飼育箱でクワガタムシを飼育していたのですが、そこにはショウジョウバエもたくさん飼っていました。
(発生していた、とも言う・笑)

危険でなければ

ヤスヨさん
> 私が紗月さんだったら、飛びずさっていたと思います。
> 知らないから、触ることが出来たのでしょうねぇ。
> あ~、驚いた(笑)

子育てをするときに「ギャー!」と毛嫌いするのは止めることに決めていました。
たとえgokiburiでも「ギヤー」とは言いません。今でも(笑)。

Re: すごい

> 私はきっとそんなに冷静に対応できない気がします。
> きゃーっと言ってすかさず子どもをその場から連れ出しそう。

取り上げて、その場から連れ出すのは簡単です。
でも、それだと子どもが納得しませんよね?
興味のあるものを取り上げたら、反発されてしまいます。
どう説明すれば納得してくれるか。大人と折り合ってくれるのか。
そのラインが難しいですよ。
子どもを1人の人間としてきちんと見、向かい合うってことなのかもしれません。

> 今は毛虫を怖がる娘だけど(私が怖がるからじゃないかと義母に言われて反省…)、そのうち興味を持つんでしょうねえ。ううう。
> 頑張って動じないように慣れなきゃなあ…。

興味を持たない子だっていますよ。
うちなんか三人それぞれ違います。
まずは絵本の「はらぺこあおむし」なんかから親しんだらどうでしょう。

大人になって

ふうこさん
> 『兎の眼』、児童文学だそうですが、大人が読んでも色々考えさせられるお話だった記憶があります。

そうなんですよね。
差別とかいじめとか、そんなことも扱っているからでしょう。
一気に読んでしまいました。

> ハエ、我が家ではコバエがちょろちょろと。風呂場の排水溝が??

風呂場の排水溝周辺にいるのは、コバエじゃなくてチョウバエかも。
長女はさすがに大人になって、不衛生な場所で発生している虫には注意するようになったみたいです(笑)。

> 夏の実習が楽しみですね!

夏休み中、なんの予定もなくて自由になれるのは3日だけだそうです。
若いんだし、うんと活動すればいいと思っています。
ただ、事故のないことを願うばかりです。

kooさまも

kooさま
> 小学生の頃、実験でショウジョウバエを集めましたが、母親に物凄く嫌がられました(苦笑)
> 私は楽しかったのですけど…(微苦笑)

ほおお! 楽しかったということは、kooさまにも長女のような一面があったのですね。
親が嫌がっていても、ゴーイングマイウエイですよ(笑)。

> 紗月さまとご主人の冷静な対応はさすがです。きちんと話して、子供に理解させる。
> 興味を持っている分野だからこそ、きちんと話してあげないといけないのでしょうね。

頭ごなしに叱っても絶対にダメですよね。
子育てって勉強になります。
自分も育ててもらっているって思うことが何度もありますよ。

この長女、将来どうなるんでしょうねぇ(笑)。

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